通過してきた男
これは、私リューネが体験した話です。
ぶっちゃけ、白昼堂々これですか!?みたいな驚きと恐怖はありましたが…。
現在住んでいる某県の某市内での話です。
自転車で買い物に出かけた帰り道、私は信号待ちをしていました。
休日の真っ昼間、しかもすごくいい日差しの最中、暑さを耐えながら青になるのを待っていました。
ふと横を見ると、車道沿いにガードレールがあり、さらに内側にツツジがズラ~っと並んで植えられてありました。
緑化運動の一環でしょうか。
その先、ツツジとツツジの間くらいに、こちらを向いた中年男性の姿が。
まぁ、普通の背広を着ていて、腰から下はツツジで隠されていて見えません。
タクシー待ちでもしているのかな?と思って目をそらそうとしたのですが、何故かそらすことが出来ず。
ヤバイ!真っ昼間なのに!?しかも、視えてるの私だけなのかな!?
そう思った刹那のことです。
男性が、こちらを向いたまま、スーっと近付いて来たのです。。
上半身だけ。
ツツジがあるから、歩いてだったらツツジを掻き分けながらのはず。
でも、ツツジは一切動いていない。
つまり、背広から下は何もない!?
なんで、なんでこっちに近づいてくるの!?
私が視えてることに気付いたから!?
来るな来るな来るな!
ポッポー、ポッポー、ポッポー♪
盲人用の信号が変わった合図が鳴り響いた瞬間、体が動き、振り返らずに自転車で全力疾走。
自宅についても、振り返ることなく室内に飛び込んで、外に塩をばらまいて一息。
その場で、呆然と『なんかあったの~?』という表情をしているだーさんに詰め寄りました。
あすこは事故とかなかったか、とか、今憑いてないよね、とか。
相当な剣幕だったと思います。
でも、だーさんはあっさりと言いました。
そんな話聞いたこともないし、なんにも憑いてないよ~?と。
でも、あれは錯覚なんかじゃなかったんですが…。
後日行った時には、誰も居ませんでした。
けど、しばらくの間は違う横断歩道を使うことにしました。
あんまり怖くないけど、数秒の恐怖を味わった瞬間でした。