貫き通した純愛6
今日はここまで書いて終わりますね。
前回の続きです。
だーさんが、あっぽを助けようと思った理由。
単純に好きになったから、だけではなく、過去の自分の生き写しのような人生を歩んでいるあっぽが、このままでは危ないと思ったからだそうです。
だーさん自身が、身を持って味わってきたこととそっくりなのです。
そして、こう思ったそうです。
自分がかつて辛い目にあったことから抜け出せた方法を伝えるために、そして、この子を助けて共に歩んでいくために、自分は生きてきたんだろう、と。
だーさんが、どんな半生を歩んできたのかというと。
だーさんには、当時両親が居ました。
でも、仮面夫婦もいいところ。
しょっちゅうDVがあり、母親も、だーさんも、弟も、常に泣かされ続けてきた。
今でこそ、DVは警察に言えば来てくれたりシェルターがあったりしますが、当時はそんなものなかった。
家庭内に逃げ場がなかった。
食事中に険悪になったら、急に気持ち悪くなって吐いて(演技で)空気を変えたりということも何度もあったそうです。
今でこそ部屋の境には壁があるというのは当たり前ですが、住んでいた場所(マンション)を隔てているのは、全開にされている障子だけ。
2K(実質1K)に四人暮らし。
しかも、片方の部屋はこたつ(食事用兼、母親の寝床)。
父親が帰ってきたら、逃げ場なんかありません。
そんなところでDVが始まったら・・・子供心にトラウマになったりするわけです。
何で離婚しないのか散々聞いた(近年も)そうですが、金に困るから、と言うことだそうです。
慰謝料とかふんだくって離婚しておけばいいと思うのですが、事はそんなに簡単ではなかったそうです。
でも、DV自体はだーさんと弟が中学生に上がる頃には何とか収まってきて(怒鳴り散らすはずっと続いたそうですが)。
ここまでの話は、あっぽも同様です。
あっぽのかつての父親も、こんな感じだったそうです(が、Gと比べたらマシだと言っていました)。
ちなみに、だーさんの両親は近年ようやく離婚が成立したそうですが、慰謝料は一円も入らなかったそうです。
時は流れ、だーさんは中学校あたりからいじめを受けるようになってきたのです。
同級生のみならず、下級生からもターゲットにされていたそうです。
カツアゲとか実力行使的なものはないものの、上履きがないとかカバンがないとか、連絡網が回ってこないとか、体育で組む相手が居ないとか、修学旅行も一人で回ったとか、今だったら教育委員会や教員にでも言えば何とかなりそうなもの(ならないかも)ですが。
教員自体からも、だーさんは嫌われていたのです(ここは、あっぽと逆です)。
別に、だーさんは成績が悪いわけでも、素行が悪いわけでも、外見が悪いわけでも、特に問題があるわけではありませんでした(成績表とか見せてもらったので)。
でも、だーさんは嫌われていた。
それを顕著に表したのが、高校の推薦入試の時。
だーさんは、志望していた学校の推薦を取ってもらおうと頼みに行ったら、だーさんより下の成績の人間が推薦に選ばれたそうです。
ましてや、一般入試の件も、志望していた学校よりはるかに劣る(偏差値が15くらい違う)学校すら『絶対受からない』と言われたそうです。
模試でもA判定をとれているのに。
でも、だーさんは受験して合格しました。
そうしたら、教員がなんと言ったか。
『ミラクルボーイだ!!』と。
この頃から、だーさんは学校に行くことに興味をなくし(大学まで卒業はしますが)、半不登校状態になっていったそうです。
高校に入学しても、友人もできず、教員も頼らず、修学旅行なども他グループに混ぜてもらっても単独行動などなど。
大学に行っても孤独。
教育実習に行ったら、四週間あるうちの一回授業を受け持てばいいはずなのに、四週間毎日授業をやらされて(高校生三年生分すべて)過労で倒れた上に単位がもらえなかったり。
就職しても、とにかく陰湿ないじめを受けたり(何人かは、ぶっ飛ばして黙らせたそうですが。余談ですが、だーさんは格闘徽章って言うのを持っていたそうで強いです)。
そういった多々の経験から、この子(あっぽ)は危ういなぁと感じていたそうです。
なんたって、まとってる空気が一緒だって感じたそうですから。
だから、助けたかったそうです。
だからこそ、なんでこんなにも距離が離れて生活しているのか・・・と、いつも嘆いていたそうです。
一人で、あっぽのところに行けばいいのにと助言した人もいるそうですが、母親がだーさん依存。
だーさんが出て行ったら自殺するとまで言い出していたため、どうしようも出来ず。
あまりのストレスで、一時期は不眠症にまでなりかけたという話でした。