箱の中身は3

2013年08月16日 23:02

姉さんから全てを聞いたあと、だーさんは疑問に思ったことを口にしました。

さっきの眼球や箱はどこにあるのか?と。

姉さんは、ただ一言答えました。

眼は消え箱は燃えた、と。

 

続けざまだーさんは聞きました。

何であの蔵だけが、違う向きと形なのか?と。

しばらく沈黙した後、姉さんはこう答えました。

あの蔵の入口が向いている方角が、かつてA家のあった方角であること。

形が微妙に変なのは、まじないの一環として、Tの恨み辛みや悲しみが増幅されて、A家に飛ぶようにしていたためだと。

そのため、A家はほどなくして滅び、また、A家の方角にあった大名家や近年までの華族などは、決して大成はしなかったそうです。

 

姉さんは、あの蔵は取り壊させるから、と言い残したついでに、こうも言いました。

Tの直系の子孫が、私なんだよね、と。

 

だーさんは、疑問に思いましたが、姉さんは遮ってこう言いました。

生理が来たばかりのような少女でも、子供をなすことは出来るの。

だから、多分君の見た悪夢の中では、Tは死んでいないはず。

そして、牢の中を見たはずよ?

分からなかった?

何で、箱や布は残っていたのに、本人の存在は残ってないの?と。

着物も、髪も、骨も、全てが消えるなんてことはありえないでしょうあの密閉空間で?

ネズミや虫がいたら、その痕跡が残ってるはずじゃないかな?

つまり、そういうことなのよ。

恨み辛みは箱に詰めて、さぁ諦めて力尽きようかって時に助けが入るとかさ。

でなきゃ、私生まれてないわよ。

 

姉さんは、そう言って、去っていったそうです。

 

ある意味、そんなことすら知っている姉さんも怖かった、とだーさんは語っていました。

文章が下手ですみません。