貫き通した純愛8
今振り返っても、あすこに住んで生きていた時期とあの事件から暫くの間が何よりも辛かった、と、あっぽは涙ながらに言います。
だーさんですら、あっぽをさらって駆け落ちしようかと考えていたくらいのことです。
その事件は、実は2つあります。
1つ目は、ある夏の日。
俗にいうコミケが開催された日です。
あっぽとだーさんは、二人で会場へと向かい、コミケを満喫していました。
その後、秋葉原へと向かい昼食を取ったあと。
あっぽは急に疲労からか、店内で眠りに落ちてしまったのです。
さすがに焦るだーさん。
前日まで非常に調子が悪かったことや、風邪薬などを飲んでいたことは知っていたのですが、休憩に入ったとともにまさかの自体。
店内に寝かしておくわけにはいかず、仕方なくだーさんは、ホテル(ワシントンホテル)に飛び込みで入りました(ラブホではないので何も期待しないでください)。
なお、このことはあっぽもしっかりと了解してからのことです。
ホテル側も、従業員の休憩室を無償で開けてくれることに。
ですが、この件が後々の激しいバトルの一因となるのです。
そして、一時間ほどの間にだーさんは、調子が悪いなら薬をもらってくること、最悪医者をんだほうがいいか、などと何度も声を掛けていたそうです。
あっぽは、余り記憶にはなかったそうですが・・・。
そしてそこで、あっぽは突如叫んだのです。
なぜか、衣服を一切脱げないように全力で握りしめ、身を縮こまらせ、そして号泣しながら・・・。
『お父さん、やめて怖い!!!』と。
普通、寝言でもこんなことは言いませんし、こんな行動はしません(この瞬間、だーさんはGに何をされてきたか確信したそうです)。
さすがに従業員も駆けつけて(というかフロントの真裏で見える位置だったそうですが)、とにかく号泣していたあっぽ。
だーさんは、何とかなだめすかして、浴槽(室内にあった)にお湯を張って、あっぽを入れたそうです(この辺から、あっぽの記憶がはっきりしてくる)。
余談ですが、ぬるいお湯だと副交感神経を刺激して眠気が増すのですが、熱めにすると交感神経が刺激されて眠気が飛びます。
これを利用したそうです。
そして、何とか持ち直したあっぽは、だーさんと別れて地元へと帰って行きました。