貫き通した純愛5

2013年10月03日 21:13

重い口を開いて、弱々しく、つたなく、あっぽの語ったこと。

それは、だーさんは、薄々気付いていたことと、そして、やっぱりかと確信に至ったことだったそうです。

端的に書くと。

・学校で陰湿ないじめを受けていること(その為、学校内に友人は一人もいない)。

・その割に、教員ウケが良いので余計に周りから人がいなくなること(一人弁当は当たり前)。

・その為、誰も知り合いのいない学校を受験したいということ(この時点では親はそのことを知らない)。

・母親や祖母は、話をまともに聞かないこと(特に母親は、再婚してから人格が変わった)。

・塾に毎日行くことが辛いこと(塾内でも孤独)。

・義父(以下Gとします。こいつと母だけは、私は死ねばいいのにと思っています)の性格が粘着質すぎること。

・Gの、あっぽを見る目が異常であること。

・Gが来た時、妹達と旅行に行った時に限って、やたら眠くなったり意識朦朧としたりすること。それでいて、目覚めるとG以外誰も居ないことがあったこと。

・でも、色々思うところがあっても、お金を出してもらってる立場だし、信じてもらえないかもしれないから誰にも言い出せなかったこと(確信が無いため、虐待とも訴えられない)。

など。

これだけでも、相当なものです。

私なら夜逃げしてます。

でも、あっぽは、妹に危害が及んだら困るので、自分だけ辛くても耐えていけば良いと思っていたこと。

笑っていれば何とか生きていけてると思えていたこと。

でも、誰も居ないところに消えてしまいたいと思っていたこと。

そういったことを、泣きながら話し続けたそうです。

 

だーさんは、ただひたすらに聞きに徹し、とりあえず親とは最低限の接触で済ませること。

電話で済ませられるなら電話で済ませてしまい、近くに寄せないこと。

身内で当てにならないなら、自分がいつでも聞くこと、仕事を休んででも会いに行くこと、そういったことを伝えて、その日は話が終わったそうです。

でも、だーさんは、あっぽの傍に居ないことがこんなに辛いことなのか、と歯噛みしたそうで、夜中だったというのにカラオケで勤務時間前まで叫んでいたそうです。

 

あっぽは、その電話以降、だーさんを余計に好きになったそうです。

ずっと静かに聞いていてくれたこと、どこかのバカのように『親なんだから粘着質なくらい心配して当たり前』とか言わなかったこと、全部聞き終えても、いつでも電話しておいでと言ってくれたこと。

初めて、他人から優しくされ親身になって聞いてくれたし、男性恐怖症に近いあっぽが、唯一信頼出来る人に出会えたそうです。

そのくらい、あっぽの周囲の人間はカス以下でした。

身内も、クラスメートも、塾のメンバーも、部活メンバーも、そして、だーさんの母親も。

あっぽもだーさんも、周囲の人間には全く恵まれませんでした。

だーさんは、ポツリと言ったことがあります。

『あっぽは、過去の自分をそのままなぞって歩んでるように見えた。だから、放っておけなかった。自分と同じ思いを味わってほしくなかった。でも、自分には助けられる力が少なすぎた・・・!』と。